日常コラム
春の日光植物園へ その2~オウレンの仲間たち~
先日訪ねた日光植物園。
一番のお目当てはオウレンでした!
オウレンは早春に開花し時期を過ぎると観察できなくなってしまうので
今年の開園(4/1)後、急いで訪ねました。
漢方で使われる生薬「黄連(オウレン)」の原植物は、キクバオウレン、セリバオウレンです。
こちらではセリバオウレンがいるようです。
薬用のオウレンではないけれど、ウスギオウレン(薄黄黄連)とバイカオウレン(梅花黄連)がいました。いずれにしてもオウレンの仲間はカワイイ!
ウスギオウレン
一番よくみられたのは「ウスギオウレン」でした。
下の写真は雄花。
長い花弁のように見えるものはガク。その内側の少し短いのが花びらです。
そして雄しべが20本位みえます。
20250406ウスギオウレン(日光植物園)
ウスギオウレンという名前は「薄黄黄連」と書くようで、薄い黄色とのことですが、このこたちは真っ白でした。
バイカオウレン
そして朝ドラで超有名になったバイカオウレン(梅花黄連)。
バイカオウレン20250406日光植物園
お花も葉っぱも梅の花のような形をしていてこちらも可愛いです。
バイカオウレン20250406日光植物園
真ん中の緑色のが雌しべでその周りに白く立ち上がっているのが雄しべ。
両性花ですね。
白い花びらのように見えるのがガク。黄色いポツポツが花びらとのこと。
本当にカワイイ💕
セリバオウレン
根茎が漢方薬の黄連になるのはこのセリバオウレン。
セリバオウレン20250406日光植物園
この個体も両性花ですね。
真ん中の緑と茶色っぽいのが雌しべで、周りの細く10本以上見えるのが雄しべ。
長い花弁のように見えるのがガクで、その一回り内側に一回り小さいのが花びら。
セリバオウレン20250406日光植物園
全体像を撮ろうとしたら葉っぱがクルクル。まだ未熟な感じ。
オウレンは先にお花が咲くのですね。
最初の葉っぱのやわやわぶりを初めてみました。
オウレンの葉っぱ
オウレンさんたちがあまりに可愛くてキャーキャーいいながら写真を撮っていたら
近くにいらした方に
「セリバオウレンとバイカオウレンの違いって分かりますか?」
と声をかけていただきました。
「バイカオウレン(梅花黄連)は字のごとく梅の花のようですし
セリバオウレンは切れ込みがセリの葉のようですよね」
などとお話をしました。
オウレンの見分け方でよく表現されるのが葉の形。
下の「三出複葉」は「一回三出複葉」ともいいます。
キクバは「一回」、セリバは「二回」、コセリバは「三回」に分かれている複葉です。
オウレンの根を除いた根茎が生薬の「黄連」です。
以前、テレビ番組の「ポツンと一軒家」でオウレンを栽培家の方が放映されていました。日本国内ではとても貴重です。
生薬の黄連(オウレン)の効能
黄連は、苦く熱をさます働きがあります。
効能は心下の熱を去ることで、心下の痞え、腹痛などを治します。上半身の炎症、精神不安、皮膚のただれ、下痢などに、血の虚熱を去る働きもって用いられます。苦味健胃薬。
黄連湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、小陥胸湯などに配合される、大切な生薬です。
セリバオウレンの根茎20240530理科大
生薬のオウレン
さいごに
オウレンのお花は早春に可憐に咲いています。
生育している場所によってはまだ観察できると思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!