漢方コラム
春と自律神経
「自律神経を整えるのに何をしたらよいと思いますか?」
時々、そういう質問をいただきます。
ストレスが多かったり、更年期の方だったり、珍しく体調を崩してしまうとそのように思われるようです。
リラックスをして、夜はよく眠り、気分転換をしたり、食事を美味しくいただく…
そんなことが思い浮かびます。
気分転換には何をしたらよいでしょうね…
例えば
いつもは車やバイクでツーリングをする方だったら、電車の旅をしてみる
ひなびた温泉宿で「い~ぃ湯だなぁ~」と温泉につかる
広々とした高原で雪化粧をした山々を見ながら深呼吸をする
寄席に行って、お座布団一つの上で世界観をつくる落語家さんの噺に笑っちゃう
…などなど
ストレスの元の出来事を考えない方がいいタイプの方と、ストレスのことを話した方がスッキリ楽になるタイプの方もいらっしゃいますね。
春について
素問という書物には、「五行」の分類が記されています。
自然は「木・火・土・金・水」に分類されています。その分類には、五臓や季節、病症、病の原因なども分類されています。
五行には、それぞれ「春・夏・土用・秋・冬」が配当され、そしてそれぞれの季節が支配する臓腑「肝・心・脾・肺・腎」が配当されています。
例えば、春には「肝」がよく働くけれど、十分に働かないと病むと考えられます。
春は、精神も肉体ものびのびと活動的になるのがよいのですが、春に肝が十分に働かないと、イライラしたり、筋肉痛になったりします。
また、「肝」の気が亢進しすぎる場合と、逆に不足してしまう場合があります。
亢進しすぎる場合は、その気を抜くように治療し、
一方で、不足している場合は、補って立て直します。
すぐに治ることもあれば、服用しているうちに「そういえば最近気にならなくなった」と気づくようにいつの間にか治癒しているということもあります。
補う時は、その方の陽気が足りないのか、陰気が足りないのか、どこに熱がこもっていて、どういう順序で治療したらよいか、などを考えます。
こじらせて胸に痛みが出た場合は、栝楼仁(かろうにん)、黄連、柴胡、竜骨、牡蛎などの生薬を用いることがあります。
さいごに
春はメンタルが変動しがち。
なかなか難しい季節ですけれど、ようやく、一気に咲き始めた桜を楽しみながら
過ごしたいなぁ~と思います。
最後までお読みいただいてありがとうございました~♪