漢方コラム
美ヶ原高原と松茸小屋を訪ねました~キノコの話~
先日の連休、長野の美ヶ原高原を訪ねました。
朝4時半出発の日帰り。
美ヶ原高原の道の駅は、標高2,000メートル。現地に近づくに連れて山道になり、耳ぬきをしながら登りました。
8時40分頃、道の駅に着くと、車やライダーさんが多く、駐車場がいっぱいで停められないのではないかと思うほどで驚きました!みなさん早起きですね。
道の駅のそばには散策路があり、10分コース、20分コース、90分コースなどがありました。 途中、石段で歩きにくい所もありましたが、皆さま楽しんでいらっしゃいました♪
微動だにしないポニーちゃんたちの所まで来て折り返し次の目的地へ向かいました。
上田の松茸小屋
当日、もう一つの目玉は上田の松茸小屋でした。今回、美ヶ原高原へ行くことを長野に移住した後輩君に話したら「関越から帰るなら是非上田の松茸小屋に寄ってください」とお薦めされたのでした。
松茸小屋って幾つもあるのですね。あちこちに電話をして、ようやく希望の時間に予約が取れた一軒へ行きました。
松茸焼きを口に入れたとき、おぉ~なんと!美味しい~♪
いままで50数年生きてきてこの美味しさを知らなかったとは!という程美味しかったです(感涙)
ということで、今回は漢方薬で使うキノコについて。
漢方で使うキノコ類
漢方薬に含まれるキノコ(菌核)の生薬には、茯苓(ブクリョウ)と猪苓(チョレイ)が挙げられます。
茯苓(ぶくりょう)
茯苓は、マツホドというキノコの菌核です。松が伐採された後数年経った切り株の周辺の根に付着して見つかります。
以前のブログ「水の巡りを整える「当帰芍薬散」の3つの生薬」に茯苓についても掲載しております。宜しかったらご覧ください↓
https://www.wakakusa-kanpou.com/archives/2528
効能について、荒木性次先生は
「茯苓甘平、水を収め乾きを潤しその不和を調う故に動悸を鎮め衝逆を緩下し水を利して眩悸等を治す」
と述べられています(「新古方薬嚢」方術信和会発行)。
ブクリョウは、水の偏在を整えるというか、ありすぎるものは捌くし、ないところには水を引いてくる、というような働きをします。
茯苓を含む漢方薬には
苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
茯苓四逆湯(ぶくりょうしぎゃくとう)
真武湯(しんぶとう)
茯苓沢瀉湯(ぶくりょうたくしゃとう)
茯苓桂枝五味甘草湯(ぶくりょうけいしごみかんぞうとう)
小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)
五苓散(ごれいさん)
などがあります。
茯苓という生薬はとても不思議でとても有難い、使用量が多い生薬です。
猪苓(チョレイ)
猪苓は、サルノコシカケ科チョレイマイタケの菌核で、ブナやミズナラの根に沿って菌核をつくるキノコの一種。 晩秋から冬季に掘り出し水洗いした後に陽乾するそうです。
周りが黒く、中は白い色をしています。
猪苓(チョレイ)
効能は
「渇を止どめ小便を利するの効あり。大概内に熱あるものを治す、小便利せずして嘔吐するものにも宜し。」
と述べられています(荒木性次先生「新古方薬嚢」方術信和会発行)。
猪苓は、猪苓湯や猪苓散に、またよく使われる五苓散(ごれいさん)に上述の茯苓と共に配合されています。
猪苓湯:猪苓、茯苓、阿膠、滑石、沢瀉
五苓散:桂枝、茯苓、猪苓、沢瀉、白朮
五苓散の構成生薬
その他のキノコ類
キノコ類は健康食品としてもよく用いられます。
霊芝と冬虫夏草
霊芝と冬虫夏草はどちらもキノコ類で、健康のために広く活用されています。
当店には、霊芝と冬虫夏草を含む「霊芝夏煌GGMC」があります。
「霊芝夏煌GGMC」の「霊芝」は、長野県で無農薬・原木栽培法で栽培され、霊芝の力を高める工夫がとられた<直井霊芝(なおいれいし)>が使用されています。
「冬虫夏草」は、冬虫夏草の中でも栄養成分が多く含まれている品種<北虫草(ほくちゅうそう)(Cordyceps militaris)>の子実体が使用され、良質なたんぱく質とミネラル分が含まれています。
カワラタケ
カワラタケというキノコは、その菌糸体から得られる多糖類が医療用の医薬品「クレスチン」として抗腫瘍作用が認められていました(化学療法との併用が必要となり需要が減ったため現在薬価収載は取り消されました)。
当店でも必要な方にカワラタケを生薬でお分けすることもあります(食品扱い)。
さいごに
さて、秋が深まって参りました。
気温が高くなったり低くなったりと体調管理が難しい今日この頃ですが、美味しいものを食べ、よく寝て、適度な運動をして健康を維持して参りましょう!
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました!