日常コラム
ヒマラヤの青いケシ
日常コラム
7月13日に白馬五竜高山植物園を訪ねたのは
「ヒマラヤの青いケシ」が目当ての一つでした。
ヒマラヤの青いケシは、ヒマラヤの標高4,000m級に自生する幻の花として知られています。
正式名称Meconopsis grandis(メコノプシス・グランディス)
2024.07.13 白馬五竜高山植物園にて撮影
以前東京都薬用植物園で見たときは、ガラス張りの冷蔵室の中。
ガラス越しの「ヒマラヤの青いケシ」2019年5月8日 東京都薬用植物園にて撮影
都薬植物園のときは初めてで、ガラス越しでも青の美しさに見惚れましたが
今回は、生育されている山で直接見られるとのことで、喜んで出かけました!
「栽培してはいけないケシ」
ところで、「ケシ」には「栽培してもよい」ものと「栽培してはいけない」ものがあるのをご存じでしょうか。
因みに「ヒマラヤの青いケシ」は「栽培してもよいケシ」です。
一方、ソムニフェルム種、セティゲルム種という種類は栽培してはいけないケシで、「あへん取締法」で取り締まられています。
↓栽培してはいけないケシ とても美しいですけれど…。
アツミゲシ 20190508
栽培してはいけないケシ 20190508 東京都薬用植物園
「栽培していはいけないケシ」の未熟果実からとれる「あへん」の成分には、モルヒネやコデインがあり、モルヒネは痛み止めとして、コデインは咳止めとして医薬品として用いられる一方、習慣性や呼吸抑制などがあり、使用には注意が必要です。
ですから「栽培してはいけないケシ」を勝手に栽培したり、所持したり、持ち運んだりしてはいけません。
ケシの果実はケシ坊主と呼ばれます。キズをつけて「あへん」が採集されます。
ケシ トルコ種のけし坊主 20190508東京都薬用植物園にて撮影
余談ですが、花弁がおちた後のケシ坊主になりかけの写真をみつけました。
お花から果実になる様子っていつも不思議なのです。
↓これは花びらの中に雄しべがあったこと、子房が膨らんで果実(けし坊主)になっていく過程が少しわかるように感じます。
20190508 東京都薬用植物園にて撮影
栽培してよいケシと栽培してはいけないケシの違い
栽培してはいけないケシは、
〇茎を抱くように葉がついている
栽培してよいケシは
〇茎を抱くように葉はついていない
〇茎や葉が白っぽい毛で覆われている
という特徴があります。
20190508 東京都薬用植物園にて撮影
ところで「栽培してはいけないケシ」のケシ坊主(果実)はコロンとした丸っこい形をしています↑
「ヒマラヤの青いケシ」のケシ坊主?に相当する果実はどのような形状なのでしょうか。
そこで学芸員の方に伺って見せていただきました↓
20240713 白馬五竜高山植物園 ヒマラヤの青いケシ
写真の左上部が花が終わった後の果実部分。
なんだか小さいですね……。
さいごに
今回は「ヒマラヤの青いケシ」を生で見られて、嬉しかったです💕
尚、学芸員さんによると「ヒマラヤの青いケシ」には赤や黄色のお花があるそうです。
赤い「ヒマラヤの青いケシ」だそうです。
なんだかおもしろいですね。
さて、今回訪問した白馬五竜高山植物園、植物観察のあとは自然遊歩道も歩くことができました。
空気もおいしくて暑さも凌げました。
とても素敵なところでした~✨
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
ご参考まで ケシ観察のfacebook記事(2019年)
女性のための漢方相談
若草漢方薬局
TEL: 03-6206-9930
TEL/FAX:03-6206-9938
営業時間:10:00~18:00 木・日定休 予約優先制
【この記事の著者】若草漢方薬局 店主 吉田淳子