漢方コラム
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
今年は11月に入っても例年よりも暖かく、過ごしやすい陽気が続いています。
それでも朝晩の寒暖差、空気の乾燥は生じています。
空気の乾燥に伴い、咳や咽喉の乾燥感を訴える方が増えています。
また新型コロナウイルス、インフルエンザ、そのほかの風邪も流行っており、咳や咳による消耗でお困りの方もいらっしゃいます。
乾燥した咳 咽喉の乾燥感に
咳がでる、といっても様々なタイプの方がいらっしゃいます。
顔を真っ赤にして咳が続いてしまう、空咳やしわがれ声でお困りのタイプの方には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)という漢方薬がよく使われます。
古典「金匱要略」の「肺痿肺癰欬嗽上氣病脉證治第七」には
「大逆上氣咽喉不利」には「麥門冬湯」が主り
麦門冬湯には6種類の生薬が含まれていることが記載されています。
麥門冬(ばくもんどう) 半夏(はんげ) 人參(にんじん)
甘草(かんぞう) 粳米(こうべい) 大棗(たいそう)
これらの6種類の一定の割合の生薬を、水と一緒に煎じてカスを去った液体を服用します。原書では、日中3回、夜1回服用することになっています。多くの処方は、1日3回服用ですが、麦門冬湯は1日4回。
夜、咳がでるとツライですので、寝る前に飲んでおくとよいですね。
煎じ薬のススメ
麦門冬湯は各メーカーさんからエキス剤が製造販売されていますが、最近多くのメーカーさんで欠品しています。
当店では煎じ薬のご用意がございますので、必要な方は煎じ薬を服用してみてください。
煎じ薬は、生薬の原形をみて、香りを感じることができます。
コトコト煎じるひと手間も、体へのいたわり。
本来の漢方薬は美味しく感じる方も多いです。
ただし、お咳や風邪、長引く不調の解決には麦門冬湯ばかりではありません。
漢方薬のお見立てをいたします。ご相談ください。