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漢方コラム

生薬の国産化~②課題と解決~

漢方コラム

 

<生薬の国産化~①生薬の流通~>の続き

 

これまで、日本国内での生薬生産の状況を知りたくて、毎年学会のシンポジウムを聴講してきましたが「なかなか出口が見えなさそう。難しいものなんだな…」と感じておりました。 

 

生薬国産化の課題

 

なぜ難しいのかというと、 

 

〇農業をしてくれる人々が高齢化している 

 

〇そもそも農業をしてくれる人が減っている 

 

〇それに伴い、放棄されている土地(耕作放棄地)が増えている 

 

〇一般の農作物と異なり「医薬品」という縛りがある

 (一般的な農産物は、出来の良し悪しはあっても、生産できたら商品になります。一方、医薬品としての生薬は、一定量以上の有効成分が含まれていないと認められません。せっかく農家さんが頑張って作っても有効成分が規定値に達しないと無駄になってしまう、お金にならない、そうなると農家さんもやる気がでない、手を挙げてくれる人がいなくなる、といったことも大きな課題だったようです)

 

〇機械を動かす燃料費や物流費があがっている 

 

なかなか難しいですね。  

 

光を感じた今年(2023年)のシンポジウム

 

以前のシンポジウムでは、出口の見えなさそうなお話が多かったのですが、今回は、あるシンポジストの先生のお話がとても心強く感じました。

 

どういった課題解決がみられたかというと

 

◇若手新規就農者が増加してきた

 

◇農業の効率化がすすんできた

 

◇流通・販路が多様化してきた

 

といったお話で、国内農業の可能性が見え始めた!ということでした。

 

また、生薬としてだけでなく、もう少し広い範囲で、生薬となる部位以外を食品として利用する、機能性植物の栽培として推進しようという動きもあるようでした。

 

そして国内の色々な市町村で様々な植物が栽培され始めていることをお示しくださいました。

 

そのシンポジストの先生がおっしゃるには、農水省からの補助金もあるし、また地域の存続が危うい状況の中で農業者は生き残るためにいろんな品目を探している、一緒に考えていただきたい!ということでした。

 

ここまで、なさるべき仕事をして生薬国産化への筋道をつけ、同時に農業全体へも寄与していらっしゃる、その先生の自信が素敵でした!

 

そして、そのあとの質疑応答の時に聞いた言葉が、とても印象深く、身が引き締まる思いがしました。

 

<生薬の国産化~③シンポジウムで心に残ったこと~>へつづく

 
 
 
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【この記事の著者】若草漢方薬局店主 吉田淳子  
 
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