漢方コラム
梅雨時の身のおきどころのなさ
梅雨に入りました。
湿気と共に蒸し暑さ、時には湿気による冷えも感じるこの季節。
もうすでに、「早く梅雨明けないかな」という投稿をしている方がいて、思わず笑ってしまいました。でもそう言いたくなるのも頷けます。
梅雨時期の不調
この時期に決まって体調不良を訴える方がいらっしゃいます。
関節の痛み、頭痛、動悸、気分の落ち込み…。
漢方では、身体は体表を守ってくれている「衛(え)」という表面の部分と
「営(栄)(えい)」と言われる裏側の血液の流れの部分があります。
気圧の変化で、身体の衛りに不調をきたし
それによって氣や営血の上下の流通が悪くなります。
特に、筋力が低い女性や、余計な水がたまっている方は
のぼせや眩暈、頭痛、吐き気などが起きやすくなります。
呼吸のしづらさを感じる方もいらっしゃいます。
この時季のめまいや頭痛に、身体の表の陽気を衛る「桂枝(けいし)」や
水の不和をととのえて動悸や眩暈を治す「茯苓(ぶくりょう)」などの
生薬を含む漢方薬がよく用いられています。
漢方薬以外でのアプローチ
お体調がすぐれないと、ご自身ではどうしようもない身の置き所のなさを感じることがあります。
「他の人は悩んでいなそうなのに、なんで私ばかり…」
体調が悪いと弱気になります。
きっと病ませてまでも神様は体のひずみを教えてくれているのですよ…。
気づかずにいるよりも気づいたからケアができるわけですから。
しっかりと良くなって、漢方薬も減らしていけるようにいたしましょう。
当店では、漢方薬のご相談を承りながら、ご自身で取り入れられそうなことを合わせてお伝えしています。
今回は3つ挙げてみます。
〇香りを取り入れる
よい香りは、気持ちをリラックスさせてくれます。
清涼感のあるミント、抗菌作用やリラックスのラベンダー、柑橘類のベルガモットやスウィートオレンジ、ホルモンバランスを整えるゼラニウムなど…
体調によって求める香りも変わりますので、その日の様子で店頭のディフューザーもブレンドを変えて焚いています。
〇軽めの運動をする
適度な運動は、気血の巡りを整えます。
最近は、ピラティスをよくお勧めしています。
漢方療法と合わせて行うことで、肩こり、腰痛、姿勢の改善にも役立ちます。
ご相談を伺っていて感じるのは、気がこもる方は運動不足の方が多い、ということ。
ピラティスを意識した呼吸で背骨を伸ばすだけでも気持ちがよいものです。
〇マインドフルネスを取り入れる
マインドフルネスのエクササイズをしてみると、物事をあるがままに受け止められるようです。
一つの行動をじっくり、ゆっくり味わいながら行います。
ものごとに判断や評価を加えないというのがポイントのようです。
どれも漢方治療と合わせてできます。
特にこの時期は氣がこもりやすいですので、話すことで気をめぐらしてください。
色々な方面から、お身体を立て直せるといいですね。
【この記事の著者】若草漢方薬局店主 吉田淳子