漢方コラム
「気」について~今日は東京マラソンでしたね~
本日は東京マラソンだったようです。
私は以前、ランニングが趣味で、その頃は東京マラソンに出たいと思っていましたが、結局抽選に当たらずじまいでした。
その頃は、走ることが好きだったということもありますが、
仲間たちと走っていると「月間◯◯キロ走った」と報告し合ったり
大会では「少しでも良いタイムで走りたい」という欲がでてきて
ついつい練習過多になっていました。
フルマラソンは42.195キロ。
長いですよね(笑)
よく「35キロの壁」といいますが、私もそのあたりでガクっと枯渇したようになり、人の限界ってやはり35キロ位にあるのではないかと、思っていました。
最近は、そういった距離どころか、そもそも「適度な運動は必要だけれど、運動のし過ぎは良くない」と理解するに至り
経験として、店頭でお話させていただくこともあります。
気について
漢方では「氣」の概念がそこここに出てきます。
特に「陰気」と「陽気」の概念の理解が大切だと思っています。
陰と陽は絶対的ではなく相対的なもの。
そして、その相対的な概念の中で
身体を衛(まも)ってくれているのが陽気
身体の中を流れている血を陰気
と考えます。
陰気というと良くないイメージを持たれるかもしれませんが、決してそうではなく
陰と陽はバランスがとれていることが大切。
適度な運動は
心臓や肺、筋肉を動かして血を巡らし(「陰気」を行きわたらせ)
身体を温めて、身体を衛っている「陽気」を整える働きがあります。
一方、
運動をしすぎるとエネルギーを損耗し、「陽気」が減ります。
陽気が減ると、身体を温めることができなくなったり、
胃の働きが低下したりして、「元気」を生み出すこともできなくなります。
また、適度な汗は、老廃物を汗腺から排出してくれますが、
過度だと身体の中を巡る細胞液、血を失います(「陰気」が減ります)。
そして、身体の衛りが減り(陽気が虚し)、血の絶対量も減ってくると(陰虚)
気の衝き上げが起こって、頭痛、めまい、吐き気が起こったり、
関節の腫れ、足が前に出ない、などが起こることもあります。
そのようなことが全ての人に起こるわけではなく、
元気いっぱいの若者だったり、元々頑健な人は多少の減少ではビクともしないかもしれません。
「気」(エネルギー)の量は、人によって違います。
同じ人でも、使いすぎると減りますし、年齢を重ねることで「気」の産生が減ってきたりします。
バランスが大切
「気」を産生するために、胃で食べ物を腐熟し、脾の働きで穀気を、肺の働きで天の気をとりこんで巡らせます。五臓六腑の働きも大切です。
ほんの一端ですが、そのような形で陰陽、五臓について考えたりします。
なんのこっちゃか、と思われてしまうかもしれませんが
漢方的視点で人の身体をこんな風にみています。
さいごに
あのまま自分のキャパシティを超えるランニングをし続けていたら、きっと陽虚、陰虚が甚だしかったと思います。
といいますか、身体からのサインが来たから減らした、とも言えます。
病ましてまで養生の悪さを教えてくれているのですね。
この陽気、陰気の損耗は運動によるものだけではありませんので
それぞれのポテンシャルで対応していく必要があると思います。
それでも運動は大切。
筋力の維持のために筋トレやピラティスをせっせとしております。
楽しいですね。
今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました!