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漢方コラム

急な発熱から関節痛や痒み

漢方コラム

風邪、インフルエンザに罹患している方が増えています。

 

発熱や頭痛だと

「風邪かな、インフルエンザかな…」

と想像するかと思うのですが

熱が下がった後にも

「関節が曲がらない」

「関節が腫れた」

「節々が痛い」

「かゆみがでた」

という症状が表れたとき

「何か悪い病気なのか?」

「西洋薬の副作用で起きたのではないか」

と、薬の添付文書の副作用欄をみて、混乱する方もいらっしゃいます。

 

発熱以外の症状

 

今年は急激に寒さがやってきたので風邪やインフルエンザで激しい症状となってしまう方が多いように感じます。

 

身体の衛(まも)りは、ひとそれぞれですので、寒邪に強い人もいれば、弱い人もいます。また、同じ人でも、それまでは自力で寒邪を追い払えていたのに、疲労やストレスが溜まっていたりして衛りが弱くなっていると、病邪を受けて辛い症状に悩まされます。

 

寒邪に傷(やぶ)られた時に呈する症状は、体内の寒熱のバランス、体表の血と気の巡り(エネルギーや経脈の流れ)などにより変わります。

 

関節痛・指が曲がらない

 

例えば、傷寒論の太陽病中篇第5条に以下のような条文があります。

 

太陽病頭痛發熱身疼腰痛骨節疼痛惡風無汗而喘者麻黄湯主之

 

意訳)太陽の経が病んで、頭が痛くて、熱が出て、身体がうずき痛んで、腰が痛くて、節々がうずき痛んで、風にあたるのが嫌な寒気がして、汗がでなくてゼーゼーするときは麻黄湯が主どります

 

麻黄湯を服用するような関節痛や腰痛などを伴う症状は、気血が充実している方、あるいは、それほど気血が充実しておらずとも病邪の勢いが強い時にも起こることがあります。身体の表面の血脈をがっつり温めて汗を出させて病邪を除く方剤です(証に合っていない人が服用すると脱汗して却って具合が悪くなるので要注意です)。

 

また、傷寒論の太陽病下篇48条には以下のような条文があります。

 

風濕相搏骨節疼煩掣痛不得屈伸近之則痛劇汗出短氣小便不利惡風不欲去衣或身微腫者甘草附子湯主之

 

意訳)風と湿気が相打って、節々が痛み、曲げることが出来ずはげしく痛み、息切れがしてお小水の出具合が悪く、風にあたると嫌な感じがして衣服を脱ぎたがらなくて、身体が少し腫れるような感じがするのには甘草附子湯が主どります。

 

こちらも節々の痛みがあり曲げることができないと記載されていますが、身体の表面の裏側の寒で凝ったものを緩める働きがあり、麻黄湯とは全く異なります。(甘草附子湯は、薬局製剤にもありませんしエキス製剤にもありません)

 

出ている症状は似ていても、気血の状態は異なります。

 

かゆみ

 

発熱などの症状の後、身体のかゆみが出る方もいらっしゃいます。

 

傷寒論の太陽病上篇の24条には以下のように記載されています。

 

太陽病得之八九日如瘧状發熱惡寒熱多寒少其人不嘔清便欲自可一日二三度發脉微緩者爲欲愈也 脉微而惡寒者此陰陽倶虚不可更發汗更下更吐也面色反有熱色者未欲解也以其不能得小汗出身必痒宜桂枝麻黄各半湯

 

意訳)太陽の経が病んで八九日して、瘧のように熱のおこりさめがして、発熱し悪寒がして熱が多くて寒が少なくて、吐き気はなくて便に異常なく、脈が穏やかなのは治ろうとしています。脈がかすかで悪寒する人は、陰も陽も共に虚しているので、さらに汗を発せさせたり、下させたり吐かせたりしてはいません。顔色が却って熱があるような人はまだ治っていないのです。少し汗が出ることができないから身体が必ず痒くなります。そういう時は桂枝麻黄各半湯(けいまかくはんとう)が良いでしょう。

身体に熱がこもってしまって出すことができないと身体が痒くなるということが記載されています。

 

さいごに

 

風邪やインフルエンザの時、熱があるときから関節痛や腰痛が起こることもありますし、熱を解熱剤で下げた後に関節痛や腰痛が起こることもあります。

 

風邪などの場合は、お身体の状態の変化が速いので、漢方薬でもその時々で適切な対処をする必要があります。(今回のような症状に、記載の処方を常に使う訳でも、これらに限定しているわけではありません。)

 

ここでお伝えしたかったのは、風邪には一見関係なさそうな関節痛、腰痛、かゆみなども、風邪やインフルに絡んで起こり得るということ。

 

 

約1800年前に記載された古典の医学書には現代にも生かすことができる記載があるのですね。

 

 

 

不調がありましたら、早めに相談してしっかり治してくださいね。

 

 

まだ寒い日が続きますので、ご無理なさらず、一日の疲れはその日のうちに取るように、食事、入浴、休養(睡眠)などの養生をなさってください。

 

 
女性のための漢方相
若草漢方薬局
 
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TEL/FAX:03-6206-9938
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【この記事の著者】若草漢方薬局 店主 吉田淳子 
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