漢方コラム
瘀血改善の養生法
前回は、子宮筋腫・子宮内膜症と「瘀血」についてご紹介しました。
https://www.wakakusa-kanpou.com/archives/4056
「瘀血」は、血の流れが悪く滞ったりする状態です。
例えば
冷えのぼせ、めまい、頭痛、肩こり、ニキビ、吹き出物、便秘症、イライラしやすい、赤ら顔、月経痛、月経の時に血の塊がでる、静脈瘤が怒張しやすい、などなど
これら全部に当てはまらなくても、そういった症状が積み重なると「瘀血」傾向と思われます。
思い当たるところはございますか?
もし、ご自身やご家族が「瘀血かも」と思ったら、どんなことに気を付けたらよいでしょう。
今回は、養生について。
養生については、何度も同じことを言うようですが
食事、睡眠、適度な運動
が大切です。
〇バランスの良い食事
〇睡眠時間をしっかりとる。夜遅くまでスマホやパソコンをしない。
〇適度な運動
食養生
お口に入れる食べ物・飲み物について
瘀血の時だけでもないのですが、
〇冷たい物の摂り過ぎには注意しましょう
〇また、瘀血を助長する飲食物を避けとよいです。あるいはそういった飲食物の摂り過ぎに注意しましょう。
例えば、チョコレート、ケーキ、アイスクリーム、白砂糖類などの甘味、メンタイコ、タラコ、カズノコなどの魚卵、チーズ、生クリーム、バター等の乳脂肪類、ナッツ類、アルコール類、肉類の多食。
イメージとしては、昔のおばあちゃんのごはん、野菜中心、煮物、蒸し物などの日本食を心がけるとよいと思います。
入浴
お風呂はシャワーで済まさずに、湯船につかりましょう。
身体全体が温まると巡りがよくなるので、毎日湯船に浸かっていただきたいです。
温まってくると、皮膚からこもった「気」も出ていくので、湯舟につかることは、「血」にも「気」にもいいです。
長風呂する必要はないので、適度な長さで、寝る1時間前くらいにはお風呂から上がるようにすると、入眠にもよいです。
運動
身体を鍛錬することは大切ですが、過度な運動には気を付けましょう。
特に中高年は、「昔は出来た」とか、「自分は大丈夫」と急に過激な運動をしたり、無理をしたりすると、ケガをしたり、腎気(生命力)を枯渇させてしまうので要注意。
私も30~40代の頃は、マラソン大会に出場するため「月間100キロ」を目指してランニングをしたりしていました。
しかし、人によって生命力のカサとでもいうのでしょうか。みんなが皆、腎気にあふれているわけではありませんね。
私も年を重ねて、腎気(生命力)の低下を避けるべく、最近ではランニングは超軽めにして、適度な筋トレ、ピラティスなどを中心にするようにしています。
気持ちよい程度に鍛錬できるものがお薦めです!
瘀血を改善する生薬
サフラン
前回のコラム
https://www.wakakusa-kanpou.com/archives/4056
でもチラリとご紹介しました。
サフランは、サフランの柱頭(雌しべの上の方の部分)です。
サフランは細い紐状で唾液を黄色に染めます。駆瘀血作用があります。
最近では、脳血流改善作用も注目されています。
サフランは、認知症などへの効果も研究されています。
当店では、国産サフラン1グラム包装の医薬品(2,728円税込)がOTC医薬品として店頭に揃えています。
上の写真は、1グラム分です。
効能効果は、冷え性、血色不良となっています。
常用するとき、1回2~3本をお湯に溶かして飲みます。
1グラムといえども、1回2~3本ですから、かなりの回数分となります。
通経作用があるため、妊娠中の方は服用しないでくださいね。
当店では、上記のようにサフラン単品の製品の他、漢方製剤「能活精(のうかっせい)」に配合されています。
タンジン
タンジンは、シソ科植物で、根が生薬の丹参(たんじん)になります。
丹参は、神農本草経に中薬として記載されています。
20150612 富山医科薬科大学
丹参には、駆瘀血作用、止痛作用があり、虚血性心疾患に対する漢方製剤に配合されています。当店の製品では、漢方製剤の「冠心調血飲(かんしんちょうけついん)」に配合されています。
さいごに
前回に続いて、子宮筋腫・子宮内膜症などの原因となる「瘀血」について、今回は主に養生についてご紹介しました。
瘀血を改善するには、「気」の巡りも大切になります。
瘀血の症状にならないように養生に気を付けたいですね。
食事のバランス、十分な睡眠・休養、適度な運動、そしてストレスをためない生活……。
皆さまは、大丈夫でしょうか。
もし、「瘀血」傾向に思い当るところがあったり、お辛い症状があるようでしたら、お一人で悩まず、ご相談くださいね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました❣